いっそのこと……

　入院しなさい、と先生に言って欲しい。でも、先生はその一言はいわない。

　「中には仕事で保っている人もいるからね」

　ええ、わかってます。だからリタイヤさせてください。いっそのこと会社辞めて休養に専念しなさいといって欲しい。そうすれは、会社も辞められる。堂々と。
　つまりは親が怖いのだ。それに休職中の受診料、出せる金もないしね。

　「○○さんのご家族の方から電話です」

　なんて外来で話しているのを聞くとね。一気にずもーんですよ。うちの親はかけてこない。病院に着いてこようともしない。

　「普通、ご家族から電話があってもおかしくないのにね」

　おかしいんです、うち。
　みんな自分のことで手一杯なんです。
　もしくは手一杯の振りをしているんです。

　他人の行動には鑑賞しない。

　それが亀家のるーる。
　だから鑑賞しない。それどころか、亀親は通院をよく思っていない。少しでも寝坊をすると、

　「今日は病院に行かないのかと思った」

　と、残念そうにいうんです。それはそれは残念そうに……。

　自分が病人でいて許されるところに行きたいです。
　死にたい君の登場です。
　猛威をふるわないうちに寝ることにします。