朝起きたら目眩がぐるぐる。
 頭の中、三半規管がめいっぱいやられていた。
 送りにゆくため、親が亀の部屋にやってくる。

 「早くしないと、遅刻するよ」
 「目眩で、おきられない……」

 この一言で亀親スイッチオン!

 「早く準備しなさい! そんなに休んで良いの!?

 「だから、目が回っていて起きあがれないんだってば!」
 「ともかく、早く準備しなさい」
 「……午前休む」
 「(息をのむ)」
 「ともかくぐるぐるしてて動けないんだから!」

 この辺から亀、記憶無し。脳味噌の中までぐるぐる。
 とりあえず死にそーな声で会社に電話をしたのは覚えている。「大丈夫!?」と言われたような声だったようなので。で、しばらく爆睡。
 目が覚めたら目眩は無くなっていた。その代わりすごい不安感。朝の薬、飲んでいない……。
 あわてて飲んで、しばらくじっとする。ちょーっとまだ危ないかな……。
 ともかく出勤の準備。今日は会社で行事があるのであまり休むわけにはいかない。
 だんだん重くなってくる頭。でも、親亀が怖くて休むと言えない小心者の亀。
 ぐるぐるだよう。頭の中ぐるぐる。

 味方はいない。
 ともかくどこかでぶっ倒れようかと思う。
 保険証をもって……。
 新しい保険証、今日もらったし……。
 

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